―― 監査拡充と内部統制で
あとで困らない。
市民が参加できる川口に。
=====
以下も参考で
頻発する政務活動費の不正利用と会派一括交付という議会のドンを生む背景
川口の未来を「利権」から「市民」へ。オンブズマン条例(試案)
=====
1.はじめに ― なぜ今、監査制度なのか
川口市は人口約60万人を抱える中核市であり、予算規模、事業数、外郭団体や委託事業の多さは、もはや「中規模自治体」の域を超えています。問題が起きてから責任を問うことではなく、問題が起きにくい仕組みを整え、それが本当に機能しているかを継続的に点検すること
その要となるのが、
内部統制制度 <= 事前防止策
監査制度 => 事後対応策
です。
2.内部統制制度は「特別な改革」ではない
民間上場企業ではすでに義務されており、自治体でも都道府県や政令指定都市では義務化されています。企業規模が大きくなれば、「人の善意や注意力だけでは統治できない」というのが共通認識だからです。中核市や一般市、町村においては法的には努力義務とされていますが、人口数万人規模の市や町村ですら内部統制制度を導入する例が増えています。
3.川口市の現状
川口市では、個別のチェックルールや監査制度は存在するものの、内部統制制度は検討段階です。
つまり、事前防止より事後対応に頼りがちという課題があります。
ガバナンス強化の余地が大きい分野です。
4.監査制度の位置づけ ― 内部統制だけでは足りない
内部統制は「仕組み(ルール)」です。しかし、その仕組みが
本当に守られているか、形骸化していないか?を点検するのも監査制度です。
川口市の監査結果は、公式サイトで公開されています。
川口市 監査報告書一覧
https://www.city.kawaguchi.lg.jp/soshiki/06030/010/6/49496.html
この監査制度の実効性を高める余地は残されています。
5.監査委員制度の課題と見直し
(1)監査委員の構成
自治体の監査委員は、
識見を有する者(識見監査委員)
議会の議員から選ばれる者(議員選出監査委員)
で構成されます。この「選び方」そのものが、内部監査の質と独立性に大きく影響します。
(2)識見監査委員の強化が不可欠
識見監査委員は、会計、法律、行政経営・事業評価などの専門性を活かす存在です。
しかし現状では、川口市では法律上最低限の人数となっており、識見監査委員の増員を検討すべきでしょう。
(3)議員選出監査委員の構造的問題
議員選出監査委員には、
自ら関与した予算・事業を後で監査する矛盾
会派配分や慣例が優先されやすい
執行部と距離を取りにくい
という制度的な限界があります。これは個人の資質の問題ではなく、制度設計の問題です。
改善の選択肢は
議員選出監査委員の減員
議員選出監査委員をゼロにする
- 抽選制による選出(会派力学からの独立):但し任期は半年や1年など短めに
6.包括外部監査の重要性
包括外部監査とは
外部の専門家が
特定テーマについて
集中的・横断的に行う監査
です。
内部監査や監査委員監査では見えにくい、
制度疲労
慣行の問題
構造的な無駄
を明らかにできる点が最大の強みです。
川口市の包括外部監査(公式ページ)
https://www.city.kawaguchi.lg.jp/soshiki/06030/010/6/index.html
(※年度ごとに包括外部監査報告書を掲載)
7.包括外部監査の「頻度」を増やすという発想
現状の課題
包括外部監査は多くの自治体で、年1回でテーマ1本に限られることが多いです。
包括外部監査は、
不正や無駄を未然に防ぐ
同じ指摘を繰り返さない
包括外部監査の頻度を増やすことは結果として費用削減につながる例も多くあります。
やりすぎでない頻度ならば十分に効果のある投資です。
8.内部統制 × 監査委員 × 包括外部監査の好循環
目指すべき姿は、
内部統制で日常業務を安定させる
監査委員が全体を点検する
包括外部監査で深掘りする
指摘を内部統制に反映する
という改善サイクルです。
9.市民にとっての意味
これらの3つの改革は、
行政を疑うための制度
ではなく市民が安心して任せられる制度
です。
税金の使い道が見えやすくなる
不祥事や無駄が起きにくくなる
将来世代への負担を減らせる
という、
市民全体の利益につながります。
10.おわりに
内部統制制度の導入、
監査委員制度の見直し、
そして包括外部監査の頻度・質の向上。
これらはすべて、
あとで困らない。
市民が参加できる川口に。
を実現するための、
地味だが極めて重要な改革です。
制度論として、感情論や対立ではなく、冷静に、しかし確実に前に進める必要があります。