@Chrophoto

松田プラン、通貨発行益、インフレ税


松田プランは、日銀が保有する国債をデジタル円に転換させる経済戦略で、参政党の松田学氏が提唱する財政政策です。

 

俺の結論:

CBDC(中央銀行発行デジタル通貨)の推進は良い考えだと思いますが、MMTに影響された過度な通貨発行益への期待は禁物で、松田プランは通貨発行益にレバレッジをかける事と同等であり、それには相応のリスク(想定される経済成長を下回った場合)が伴うというものです。

自分の想定では、低成長時代の日本の財政はインフレ税によってその多くを解決することになると考えてます。松田プランも複雑に見えますが、結局はインフレ税による解決と同等です。であるのであれば、よりコントロールしやすい古典的な財政・金融政策をメインとすべきでしょう。急激なインフレを避けるようにマイルドなインフレに抑える政策です。繰り返しますがCBDC推進に関しては賛成です。

 

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公式の説明

松田プラン】改めて、わかりやすく解説します! その1 ~積極財政は松田プランだから出来る!~

【松田プラン】改めて、わかりやすく解説します! その2~トークンエコノミーを作っていこう!

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ベースとなるもの

MMT(現代貨幣理論)

ドーマー条件

シニョリッジ(通貨発行益)Wikipediaみずほ証券ファイナンス用語

インフレ税(みずほ証券ファイナンス用語)

中央銀行発行デジタル通貨(Central Bank Digital Currency, CBDC)

ステーブルコイン

JPYC(日本円の民間のステーブルコイン:CBDCではない)

ブロックチェーン

暗号通貨暗号資産

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主な内容

1. 基本的な仕組み

政府が発行する法定デジタル通貨(デジタル円)で、民間からの需要に応える形で日銀保有国債と交換しながら発行し、その分の政府の借金を消滅させるというものです。

2. 財政政策としての位置づけ

金融マーケットに左右されにくい「もうひとつの通貨空間」をつくり、政府が直接発行・管理するデジタル円を通じて、家計支援や減税相当の給付を直接配布する構想です。

3. ブロックチェーン基盤

日本にブロックチェーンの共通基盤を創り、様々な種類のトークン(電子的な代用貨幣)が多様な共同体を支える経済を実現することも目指しています。

 

期待される効果

・積極財政の実施が可能になり、国債発行による財源確保ができる。

・通貨主権と個人情報を守りながら、中国のデジタル人民元などへの対抗

・社会保障や税金などの手続きがスマートコントラクトによってワンストップで簡単になる

松田プランは現代貨幣理論(MMT)とブロックチェーン技術を組み合わせた構想です。

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問題点

ややこしいのですが、日本のような低成長な経済ではリスクが大きいです。

通貨発行益で赤字を賄う、国債発行で赤字を賄うなどは、実は両方ともに「経済成長の先取り」です。その結果として想定した経済成長を上回ればOKですが、下回った時にはその分だけ負担が大きくなります。

レバレッジ構造:通貨発行益の多重使用メカニズム

    • 日銀が既に国債を買い入れて通貨供給している状態で、さらにそれをデジタル円に転換して「借金を消滅させた」として財政余力を生み出す仕組み
    • 通貨発行益を複数回活用する形のレバレッジ構造
    • 株式取引でいえば信用取引二階建てのような事に近い(レバレッジという意味で)

 

想定成長を下回った場合のリスク増幅

このプランには以下のような負のレバレッジ効果の懸念:

    1. インフレリスクの増幅
      経済成長が伴わずに通貨供給だけが増えれば、想定以上のインフレが発生する可能性
    2. 通貨信認の毀損
      デジタル円と既存円の二重構造が市場の信頼を損なえば、円全体の価値が急激に下落するリスク
    3. 出口戦略の困難
       一度拡大した通貨供給を縮小することは政治的にも経済的にも極めて困難で、制御不能なインフレに陥る可能性
    4. 財政規律の喪失
      「借金が消える」という錯覚が財政支出の歯止めを失わせ、過剰な支出が経済の生産性を上回れば、スタグフレーションのリスクも

 

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通貨発行益の具体的な内容

 

以下はWikipeiaより

通貨発行益 (S): S=⊿M+π×M-1

通貨発行益 (S)は、実質マネタリーベースの増分 (⊿M)インフレ率と一期前の実質ベースマネーの積 (π×M-1) の和

⊿Mは経済成長などにともなう通貨需要の増大に連動、π×M-1は「インフレ税」に連動。

つまり、通貨発行益は簡略すると、(通貨需要の増大)+(インフレ税)に連動するという事も言える。

⊿Mは市中の貨幣需要により上限があり、安定的な経済成長下では貨幣需要は増加するものの、低成長の場合はむしろ減少することがある。通貨発行益(シニョリッジ)から得られる実質的な価値には喧伝されているよりもはるかに少なく上限がある。通貨は市中の貨幣需要により供給量に上限があり、それをこえた通貨供給を行えばインフレが生じ、物価上昇分が(通貨を保有していたことに対する)インフレ税として機能することになる。加速的なインフレのもとでは誰もが資産を通貨で保有しようとしなくなるため、実質的な通貨発行益を減ることになる。

以下はみずほ証券用語集から

こちらは名目のストックベース物価水準で割った数式で示されてますが略しますのでリンク先を。

通貨発行益(貨幣鋳造税)は、中央銀行にとっては、貨幣の発行によって購入した財の単位数を表すため、通貨発行益と呼ばれる。一方、民間部門にとっては、中央銀行に移転した財の単位数を表し、あたかも中央銀行に徴税されたかのようにみなせるため、貨幣鋳造税とも呼ばれる。

 

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インフレ税:みずほ証券用語集

隠れた税金:

インフレ税(Inflation Tax)とは、通貨発行益を構成する「一部」で、インフレーションによって民間部門の保有する実質貨幣残高が目減りする結果、民間部門から政府部門(中央銀行)へ移転する購買力を意味する。