私が考える理想的なジャパンファンド
ジャパンファンドは、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)をマザーファンド化し、政府機関・関連セクターの運用資金を一元的に集約する形が理想的。これにより、GPIFの運用ノウハウを活用して超低コストで運用可能。 GPIF本体に関しては運用の一部を政府が「ピンハネ(課税)」するような仕組みは避けるべきで、GPIF本体は全額年金に還元(非課税のまま)。
他の政府機関からの拠出は「任意」とし、GPIF以外の他の政府機関からの供出の場合に関してのみ、信託報酬相当を極低コスト(0.075%程度)にする。これなら民間の低コスト投信以上の効率化が図れる。
というわけで、コレの収益(信託報酬)を財源とするなら自分の感覚だと数百億円以下か? つまり出来るにしても数十分の一、数百分の1以下の財源にしかならない。
財源規模が全然違うがやらないよりマシだと思うが・・
公明党案の問題点:なぜダメなのか
公明党案では、GPIFを含めた運用益の一部(年5〜10兆円規模)を恒久的な政策財源(消費税減税・子育て支援など)に充てる構想です。これは実質的にGPIFへの課税に近く、非常に問題です。
- これまでGPIFの運用益は非課税(年金受給時に個人に応じて課税)。
- 公明党案は、毎年時価評価の運用益から1〜2%相当をピンハネするようなもの。
→ 平均リターン約4.5%のGPIFで1%ピンハネなら、売却益の約20%課税に相当。
→ 民間のインデックス投信で信託報酬を1%に引き上げる「ボッタくり商品」化に近い。
GPIFの基本ポートフォリオ(国内株式・国内債券・外国株式・外国債券を各25%)は、最新運用状況 で確認可能。 これとほぼ同一の民間投信として、ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)(信託報酬年0.154%)が最安クラス(Yahoo!ファイナンスでチャート比較)。 公明党案の「ピンハネ」分を信託報酬に換算すると、民間最安値の約6倍。
誰が利用したいと思うのでしょうか?
公明党の最新目論見(2025年12月中間報告+2026年1月報道ベース)
- 運用規模:約500兆円(GPIF+外為特会+日銀ETFの一元化)
- 目標:GPIFノウハウで積極運用、年5〜10兆円の運用益創出(ピンハネは長期リターンの1〜2%想定)
- 使い道:運用益の一部を恒久財源に(消費税軽減など)
しかし、「恒久」財源は幻想です。GPIFの実績を見ても、損失年(リーマンショック、コロナ期など)は頻発。株価低迷期(日本のバブル崩壊後やアメリカのドットコムバブル崩壊後)は10年単位で続く可能性があります。常に安定益が出る運用など存在しません。
外為特会の組み入れは基本NG(せいぜい1割未満)
外為特会(約200兆円、主に米国債)は為替介入専用準備金。即時換金性が高いことが必要であり、株式などリスク資産へのシフトは本末転倒。
- 介入余力が減少し、円高・円安時の対応が遅れるリスク大。いつでも「即時」介入できるぞという見せ金の意味もある。
- 外為特会は即時換金性が高い資産のみにしている。GPIFのような即時換金性の低いポートフォリオは無理。
- 組み入れるなら、外為特会に対する適切な資産規模ルール(ドルベース)を先に作り、剰余金のみ活用(毎年2〜3兆円程度の国庫納付経由)。
そして後記の日銀ETFと同じように黒字・赤字の際に適切な資産規模のための出し入れが必須となる。 - むりくり組み入れたとしても現実的上限は10%程度(全体の1割)か?
日銀ETFは絶対にダメ(黒字・赤字の出し入れのみが限界)
日銀ETF(時価約80〜90兆円)は、アベノミクスの「超異次元金融緩和」の遺物。過去のマイナス金利時代だからこそ可能だった禁じ手。 現在は「金利のある世界」へ移行済み。日銀はバランスシート正常化(縮小)を「丁寧に丁寧」に進めており、ETF売却を市場に悪影響が出ないように年間3,300億円ペース(100年以上?かかる)で進めている途上。日銀は至上命題とも言えるバランスシートの縮小を必死に進めている。
- 組み入れると売却が止まり、株価歪み・企業ガバナンスの政治介入が固定化。
- 現在の含み益(約50兆円超)は国庫納付で還元可能だが、今後ほぼ確実な金利上昇で逆ザヤ(資産利回り<負債利払い)が(少なくと評価損)拡大し、債務超過リスク高まる。実際には国債は極力償還まで保有するのだろうが評価損は避けられない。つまり日銀もインフレ税を払う羽目に。
黒字の時にはジャパンファンドに預け入れ、赤字の時にはジャパンファンドから引き出すのがせいぜい。 - 日銀公式方針:当面の金融政策運営について および ETF等の処分に関する決定。
→ 正常化に数十年かかる高コストの出口戦略を、ジャパンファンドで台無しにするのは愚策。
結論
ジャパンファンドは、GPIFを基盤とした超低コストの政府機関専用マザーファンドとしてなら有効。信託報酬相当の「ピンハネ」は、民間最安値の半分以下(0.075%程度)にとどめるべき。公明党案のような1%課税のような大胆な財源化は、GPIF非課税の原則を崩し、リスクを増大させる。 外為特会・日銀ETFの組み入れは最小限(またはゼロ)にし、剰余金の国庫納付経由で十分。