日本全体の労働力不足と外国人材の急増は、ますます身近な課題となっています。Newsweek Japanの2025年12月連載(雇用ジャーナリスト・海老原嗣生氏、大正大学客員教授)では、人口減少がもたらす「本当の人手不足」の実態と、外国人労働者の受け入れ制度の抜け穴、そして大胆な「帰国ルール」提言が語られています。この記事では、4つの章に分けてデータや論点を基に、川口の地域視点から社会的な含意を加えてまとめます。海老原氏の指摘は、単なる経済問題ではなく、文化・社会の摩擦拡大を予見させるものです。
結論としては、日本は「鎖国」か「無制限開放」かの極端を避けて、入口(抜け穴を塞ぐ)と出口(帰国ルール)の両方でポリシーのはっきりとした政策バランスを取るべきだと思います。
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参考動画1:【日本中が人手不足のウソ】外国人+AI活用でも人は足りないが、大卒は増加中/低生産性の戦犯は“花火みたいな投資”/高市政権、労働規制緩和の愚策/AIで仕事の大半が消え、ブルーカラーは金持ちに…ならない
参考動画2:【外国人問題、語られない98%の核心】雇用専門家がデータ分析/社会保障は外国人優遇か?/問題は“忌避者”の犯罪率/外国人材が残す数千億円で「世界制覇」大戦略/技能実習生は安くない/留学生は黄金人材
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(1)人口減少の長期化と「人手不足」の急変
日本は1995年に生産年齢人口(15〜65歳)がピークを迎え、以後30年以上減少を続けています。総人口も2010年頃(または2008年説)から15年以上減少し続けていますが、これまで産業界は自動化、省力化、女性や高齢者の労働参加で何とか乗り切ってきました。しかし、2020年以降、状況は「様相が一変」し、特に製造業、建設業、サービス業、販売業、宿泊業などの非ホワイトカラー現場で「絶望的な人手不足」が発生。
詳細なデータとして、生産年齢人口のピーク(1995年)以降の減少トレンドが挙げられ、過去の適応策(例: 女性の労働参加率向上)が限界を迎えた理由を分析。2番目の記事では、女性・高齢者の労働参加に期待できない明確な理由として、女性の就労パターンの歴史的変化(例: 戦後から現代までのシフト)を挙げ、データで示しています。例えば、女性の労働力率はすでに高水準で、これ以上の伸ばししろが少ない点が指摘され、高齢者も労働参加率は既に先進国トップレベルであり、健康・意欲の限界から同様に伸びしろはありません。
この急変は単なる人口統計の問題ではなく、COVID-19後の経済回復や高齢化加速が重なった結果。海老原氏の言葉を借りれば、「人口減少は昔からあるのに、なぜ今国家問題か? それは適応の限界点を超えたから」——この指摘は、今後直面する摩擦の予兆です。
- https://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2025/12/581635_1.php (人口減少と人手不足の歴史的文脈)
- https://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2025/12/581733.php (女性・高齢者労働参加の限界データ)
(2)外国人労働者の実態——240万人超の内訳とビザ制度の「抜け穴」
現在、日本在住の外国人就労者は約240万人に達し、COVID-19期(2020〜2022年)を除き、年間約20万人(最近は26万人ペース)の増加を続けています。内訳は、技能実習生(47.1万人)、技術・人文知識・国際業務(41.1万人)、永住者(38.3万人)、留学生(31.1万人)、特定技能(20.7万人)、定住者(12.7万人)など多岐にわたり、特に外国人派遣社員が39.9万人という「異常な数」に上っています。
特に「技術・人文知識・国際業務」ビザの運用が問題です。本来は高度人材向けですが、実際には普通の新卒留学生や一般ビジネス職がこれを利用し、基準が曖昧な「抜け穴」となっています。例えば、海外大学の新卒者がこのビザで就職可能で、単純労働職への流用が横行。派遣社員の多さも、制度の乱用を示す証拠です。
考察として、この抜け穴は短期的な労働力確保に寄与する一方、長期的に低賃金競争や社会統合の失敗を招く可能性大。ビザの緩さが永住志向を助長すれば、文化摩擦(言語・習慣の違い)が拡大必至。制度改革なしでは「避忌者」(非統合者や不法滞在)の増加が懸念されます。
- https://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2025/12/582131.php (外国人労働者の内訳、派遣社員39.9万人の異常さ、ビザ抜け穴の詳細)
(3)大胆な「帰国ルール」提言——入国者の3分の2を帰国させ、6000億円の原資を生む戦略
海老原氏は、外国人材を不可欠としつつ、「無制限永住」を避ける戦略を提案。核心は「入国者の3分の2に期限到来で必ず帰国してもらう」ルールで、業界の緩和ロビーを許さず厳格運用。これにより、帰国者が残す経済貢献(試算で年間6000億円)を原資に、社会保障や政策投資を回す「マネー主導」の仕組みを構築します。
この提言は、永住者キャップを設定し、文化的基盤の崩壊を防ぐもの。例として、10年以上滞在(半分以上就労)で永住可能だが、2/3帰国で資金を生み、「各種の戦略」に充てる。外国人労働者は「安くない」存在として位置づけ、留学生を「黄金の人材」と評価します。
考察として、短期滞在が増えれば、家族連れの定着が減り、文化交流が浅くなる一方、摩擦(例: 犯罪率上昇の懸念)が抑えられるかもしれません。海老原氏の「2/3帰国で資金循環」はとても大胆だと感じますが、シンガポールやUAEで実施されている様々な帰国ルールの策定はとても重要な政策となります。今はグダグダなので。
- https://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2025/12/582223.php (帰国ルールの提言、100万人ギャップ予測、6000億円原資の詳細)
繰り返しますが、日本は「鎖国」か「無制限開放」かの極端を避けて、入口(抜け穴を塞ぐ)と出口(帰国ルール)の両方でポリシーのはっきりとした政策バランスを取るべきだと思います。